取り組み概要【実施内容】・「問いを立てて仕事を進める」研修の基礎編・発展編を実施。・部門の枠を越えて、全社的な取り組みとして実施。【背景・課題】・部門を越えた交流やコミュニケーションを増やし、部門間対立や発想の固定化のリスクを減らしたい・目の前の業務にとらわれすぎず、もう一歩踏み込んだ思考ができる人財を増やしたい【結果】・問いを起点にすることで、仕事がスムーズに進められるようになった。・「自分とは関係ない」と思っていた他部門の課題に共通点が見え、関心を抱くようになった。・研修や学びに対するイメージが変化した。目次実施の背景 事業領域の拡大やコロナ禍で薄れた部門間の連携ーーー本日は、「問いを立てて仕事を進める」というテーマで、基礎編・発展編2回の研修を導入いただいた三光電機様から、研修企画者として総務部長の井谷さん、受講者として営業部の鎌田さんにお越しいただきました。まずは御社の事業内容について教えてください。井谷様:弊社は1975年に電設資材の商社として設立し、今年でちょうど50周年を迎えます。この50年の間にお客様や仕入先様、工事協力会社様の皆様に支えられながら、事業の幅を広げてきまして、現在では、FA(ファクトリーオートメーション)制御やPCソフトウェア開発、機械・電気設備の設計・施工など、製品販売に加えて技術支援の領域も拡大し、お客様にとっての“お役立ち”の幅を広げているところです。事業コンセプトとして掲げているのが「TACS(Technical Active Challenging SANKO)」です。T(Technical)は専門スキルを身につける技術、A(Active)はお客様のもとへ自ら足を運ぶ現場主義、C(Challenging)は変革を恐れず挑戦し続ける姿勢です。この3つを柱に、社員一人ひとりが日々の業務に取り組んでいます。ーーー50年の間に技術力を強みにした“技術商社”としての進化を遂げてこられたことがわかりました。現在の組織体制についても教えていただけますか?井谷様:現在の組織人数は、社長と相談役を含めて71名です。部門としては、営業部・技術営業部・CN推進部(技術系)・技術部・業務部・総務部です。また、インドネシアにも現地法人があります。ーーーそれでは、今回NOKIOOの研修を導入いただいた背景についてお聞かせください。井谷様:きっかけのひとつは、新型コロナです。コロナ禍ではアクリル板の設置や座席の間隔などで物理的にも心理的にも距離が生まれ、社内のコミュニケーションが希薄になってしまいました。また、弊社は部ごとに業務内容や機能が明確に分かれており、部門をまたいだ交流や情報共有の機会が少ないことが課題でした。自分の業務中心の発想や考え方では、時に他部門との対立につながることもあります。最終工程にいるお客様にスピーディーに安定した品質のものを提供するには、部門間の風通しを良くしておく必要がありました。そんな時、弊社社長の大石がNOKIOOさんの「金ガレ」という学びの場に参加したことがきっかけで、「他部門や顧客に目を向け、もう一歩踏み込んで考えることや、連携できる風土を醸成していきたい」と考え、今回の研修企画に至りました。ーーー「金ガレ」はNOKIOOが隔月で金曜日の夜に開く、社内外の人が一緒に学び合う越境学習の場です。大石社長は、社員の皆さんが部門の垣根を越えて共に学ぶ“横断的な学習の場”をつくりたいという想いを強くされたんですね。井谷様:はい。社内では本当に久しぶりの研修でしたし、社内横断でグループワークを中心に行う対面型研修として企画しました。 研修企画・テーマ 目の前の仕事を捉え直し、考える力を磨くーーー今回の研修テーマである「問いを立てて仕事を進める」は、あまり聞き慣れないものかもしれません。このテーマを設定した意図を教えていただけますか?井谷様:「目の前のタスクをこなすだけでなく、もう一歩踏み込んで考えてほしい。 考えることを習慣にしてほしい」という社長の意向を受け、このテーマを設定しました。単に知識を得るのではなく、自分の思考のプロセスを見直すような学びにしたかったんです。私自身は正直に言うと、最初は少しピンと来ていませんでした。ただ、実際に研修をやってみると、「頭を使う研修だった」と感じました。自分たちの仕事に置き換えて考えるという研修にしたことで、学びとしてしっかり落とし込まれたのだと思います。ーーー鎌田さんは受講者として、テーマについてはどう感じましたか?鎌田様:私は始めに「問いを立てる」テーマの説明を聞いたときから、「仕事のアプローチ方法としてすごくわかりやすいな」と思って、自然と受け入れることができました。普段の仕事では「なぜこれをやるのか?」「そもそも考えるべきことは何か?」という視点が曖昧になりがちなので、その部分をあえて言語化していくことに新鮮さを感じました。 受講者としての感想・変化グループワークで学びを深める”楽しい研修”体験ーーー研修は「問いを立てて仕事を進める」をテーマに、基礎編、発展編の2日程にわけて実施しました。鎌田さんは実際に研修を受けてみて、事前のイメージとのギャップや感じたことはありましたか?鎌田様:最初に研修と聞いたときは、研修に対する一般的なイメージから少しネガティブに感じました。周囲でも「研修か…」「時間を取られるな…」といった空気感がありました。私はメーカーの勉強会などに参加する機会がありますが、これまでは講師の話を一方的に聞くだけのスタイルしか経験がなかったので、そういうイメージを持っていました。でも、実際に今回の研修が始まってみるとまったく違いました。みんなで話し合いながら進めるというスタイルがとても新鮮で、自分からアウトプットする時間もしっかりあったので、楽しく参加できました。今回のようなグループワーク中心の研修は、社会人になってから久しぶり、いや初めてかもしれない、というくらいの体験でした。テーマや目的もわかりやすく、有意義だったと感じました。井谷様:講師の方が和やかな空気を作ってくださったおかげで、非常にいい雰囲気だったと感じました。一般的に研修はお堅いイメージがありますが、NOKIOOさんの研修では受講者たちが和気あいあいとした様子でグループワークに取り組み、笑顔も見られました。ーーー皆さんが自分たちに引き寄せて学び、発言していただいたおかげですね。鎌田さんは、受講した後にご自身の意識や行動で変わったことはありましたか?鎌田様:研修を通して「目的に向かうプロセスを考えるって楽しいな」と思えるようになったのは大きな変化でした。これまでの仕事は、どちらかというと「がむしゃらにやってみる」スタイルで、大きな目的に向かって漠然と取り組むことも多かったのですが、研修後は「今、自分がやるべきことは何か?」と考えるようになりました。目標を小さく分解して、「いつまでに何をやるか」を明確にする。それによって、自分の中でも行動に落とし込みやすくなり、仕事の進め方がすごく楽になったと感じています。ーーー研修を経て、社内コミュニケーションで変化を感じることはありますか?鎌田様:そうですね。研修の中で、各部門の悩みを共有する場面があり、話を聞いていると、悩みそのものは違っていても、意外と根本の課題は共通していることに気づきました。今までは「向こうの問題は向こうの問題」と思っているところがありましたが、「僕たちと同じようなことで悩んでいるんだ」と知ってからは、他部門の人とも距離が縮まったように感じます。ーーーいいですね。社内のコミュニケーションにも良い影響が出ているんですね。研修受講によって横の連携がしやすくなったり、会社全体が見通せるようになったという副次的な効果を感じていただく企業様は多いです。今後に向けて 社内横断での学習を継続。自ら考え、動ける人材を育てるーーー最後に、「問いを立てて仕事を進める」研修に続く、今後の展開としてお考えのことがあれば教えてください。井谷様:今回の研修は初めての取り組みということもあり、参加できたのは全社員71名のうち、3分の1程度でした。先ほど話に出たように、部門や世代を越えて人と人が対話することが重要だと感じていますので、今後も社内横断での学習機会をつくり、参加者を広げていきたいと思います。ーーー今回の研修が「みんなで対話しながら学ぶのが面白い」と感じるきっかけになれたようでしたら、とても嬉しいです。井谷様:はい。私自身、今回の研修で自分の子ども世代に当たるような20代若手社員との対話の中で、世代間の違いを感じつつも、それが面白くもありました。考え方が違うからこそ、同じ場で学ぶ意味があると思っています。三光電機は今年で50周年。次は100年企業を目指して、世代を越えて価値観を共有しながら会社を継承・進化させていきたい。そのためにも、組織運営を担っていけるような2番手、3番手の人材育成をしたいと思っています。これまでは社長が社員に近い距離にいて何でも判断できる体制でしたが、これからは各階層が自律的に役割を持ち、主体的に組織を動かしていく必要があります。そこで、次回は「役割マネジメント」をテーマにNOKIOOさんに研修をお願いしています。ーーー引き続き学びをご一緒し、これからの三光電機様を担う“次の世代”育成にも貢献できればと思います。本日はありがとうございました。