トヨタユナイテッド静岡様は、次世代の組織を担う人材の育成を目的に、2名の係長の方を『次世代リーダー育成プログラム』浜松4期に派遣いただきました。異業種の参加者と共に学ぶこのプログラムで、お2人は自分の考え方や仕事への関わり方を見つめ直し、「対話」や「助けを求める力」といった、マネジメントの土台となる“姿勢”を学んだと語ります。研修で得た気づきや実際の変化、そしてこれからのキャリアへの想いについて伺いました。次世代リーダー育成プログラムのサービスページを見る▼プロフィールトヨタ店舗サポート部 営業業務グループ 係長:尾国 大介(おくに だいすけ)様営業職を経て、金融・通信・販促企画など複数部門を経験。現在は、トヨタ自動車と連携した営業支援ツールの展開や業務デジタル化、店舗オペレーションの効率化など、生産性向上に向けた業務を幅広く担う。経営企画部 経営企画グループ 係長:長田 亜沙美(おさだ あさみ)様入社以来、本社での販促企画・IT・ブランディングなどを担当。現在は経営企画部にて、中長期戦略や新規事業開発など、自動車販売業界の将来像を見据えた業務に携わる。▼目次受講背景役割の広がりを見据えた越境学習への挑戦ーーー まずは、お二人の会社やお仕事について教えて下さい。尾国様:トヨタユナイテッド静岡は、2021年4月に静鉄グループのトヨタ系ディーラー3社が統合して誕生した、静岡県最大級のトヨタ販売会社です。「私たちは生涯のお付き合いを通じてお客様を幸せにし続けます」というミッション達成のため、車両販売だけにとらわれないワクワクを提供できる会社を目指しています。私自身は営業や企画などを経て、現在は車両部門で、生産性向上を目的とした業務の設計や、営業ツールの展開、業務のデジタル化推進などを担当しています。長田様:私は入社以来ずっと本社勤務で、販促やIT、ブランディングなどの企画を担当してきました。現在は経営企画部門で、中長期戦略や新規事業の立案に取り組んでいます。これから人口減少が進む中で、自動車販売店のあり方を根本から見直す時代に突入すると思いますので、その時にどんな会社であるべきかを検討しています。ーーー そんなお二人が、今回『次世代リーダー育成プログラム』に参加された背景や、会社からの期待について教えてください。尾国様:会社から推薦されたことがきっかけです。当社には1,400人ほどの社員がいる中で、期待を込めて自分を選んでくれた。その気持ちに応えたいという思いで参加を決めました。ーーー どのような点に期待が込められていたと思いますか?尾国様:これまでは自分一人で業務を進めることが多かったのですが、今後は“チームで成果を上げていく力”を求められているのだと感じました。また、私はまだ管理職ではないのですが、15名ほどいる現部署でリーダーとしての役割を担っています。昨年度は業務改善に関する仕事以外に、部内で新車・中古車の販売実績に関する業務や店舗スタッフの教育研修にも携わっていました。部署全体を見渡すような視点を身につけてほしいという期待を感じました。ーーー 長田さんはいかがでしょうか?長田様:私も同じく、会社からの推薦で参加しました。異業種の方と学ぶ“越境学習”というスタイルが、自動車販売という枠に捉われず、視野を広げる機会になると考えてくれたのだと思っています。これまで“管理職向け研修”はあっても、その前段階で「どんな心構えが必要なのか」を学ぶ機会は少なかったので、この研修は自分にとっても新しい挑戦になると、とても楽しみにしていました。ーーー 管理職になる前から、マネジメントの実践的なスキルを学べることに面白さを感じてくださったのですね。効果“抱え込まないこと”が成果につながると気づけたーーー 5ヵ月間の研修を終えて、印象に残っている学習テーマやご自身の変化について教えてください。長田様:私にとって大きかったのは「ヘルプシーキング(一人で抱え込まず、周りに助けを求めるビジネススキル)」の回です。これまでの私は「自分でやった方が早い」「自分でなんとかやりたい」という意識が強く、仕事を抱え込んでしまうことが多かったんです。でも経営企画という現在の業務はスケールも予算も大きく、自分一人で完結できる仕事はありません。だからこそ、成果を最大化するために「出すべきヘルプは何か。どんな風にヘルプを出したらよいか」ということを考えるようになりました。また、自分の“得意なこと・不得意なこと”を客観的に整理し、苦手な部分は誰かに託す、といった仕事のコントロールも少しずつ意識できるようになってきました。ーーー 周囲に助けを求めることへの抵抗感はありましたか?長田様:もちろんありました。周囲も忙しい中で頼るのは申し訳ないとか、できないと思われたらどうしようという気持ちもありました。でも「手放さないと、成果が出せない」ということに、学びや実践を通して気づきました。ーーー 尾国さんはどのような学習テーマが印象的でしたか?尾国様:特に印象に残っているのは「対話」についての学びです。本音を言い合えるチームには、日々の信頼関係や前向きな声かけが欠かせないということを認識しました。研修で自己開示の大切さを実感したため、職場で自ら実践することで相手も自己開示しやすい環境を作ったり、1on1のときには前もって「本音を話すことのメリット」をメンバーに伝えたりしています。ーーー 早速、実践されているのですね。メンバーの反応に変化はありましたか?尾国様:少しずつではありますが、意見が出やすい空気が生まれてきたように思います。以前はミーティングでメンバーの発言が少ない場面も多く、つい自分が主導して進めてしまうことがよくありました。今は辛抱強く待つことで、少しずつ意見が出るようになり、それを受けてさらに議論を深めていくという良い循環ができつつあると感じています。ーーー お2人にとって、会社の外に出て異なる業種や職種の方と学び合う、越境という学びのスタイルについてはいかがでしたか?尾国様:私は普段の業務で関わるのが、ほとんど社内の人間です。そのため、異業種の方々と一緒に学べたこと自体がすごく新鮮でした。全く違う業界の方々とグループワークや対話をする中で、分野や立場が違えば考え方も異なることを知り、それが自分の固定観念を取り払ってくれたように感じています。もっと柔軟に物事を考えていけるという感覚を持てました。長田様:私は、立場の違いから得られる発見が大きかったです。グループワークの中で、「リーダーとしてこういう言い方をすると、どう受け止められるだろうか?」といった話題になった時、メンバークラスの方が「それはちょっと…」と率直な反応をした場面がありました。“管理職かメンバーか”などの立場の違いで、見えている景色や感じ方がこんなにも違うんだということに驚きました。また業界が違っても、共通で抱えている課題感や悩みがあるということも気付きでした。もちろん尾国の言った通り、異なることもあるけれど、チームやマネジメントに関する根本的な課題は、同じなのかもしれません。今後への期待安心して本音を語れる場づくりを、リーダーとして支えたいーーー 今回の学びを、今後の仕事やキャリアにどのように活かしていきたいとお考えですか?尾国様:自分にとってはやはり「対話力」が最大の学びでした。「対話は会話ではない」という言葉がとても印象的です。単に言葉を交わすのではなく、相手の視点に共感し、興味を持って、意志をもって“聴く”というスタンスを意識したいです。自分の意見を押し付けるのではなく、お互いの立場や意見の違いを理解し、すり合わせていく力をつけたいと思っています。自分が将来管理職になったときは、「この人なら聴いてくれる」と思ってもらえる存在になりたい。心理的安全性が担保され、“安心して本音を言える関係性”を築くことを意識していきたいです。ーーー 「聴いてくれる人がいるから、話そうと思える」——まさに対話の力ですね。長田さんはいかがですか?長田様:将来的にリーダーになることを見据えての学びでしたが、今の立場でもできることがあると気づきました。経営企画では、自分より上の方と議論をする機会も多く、上層部になればなるほど、立場上、本音を言いづらい場面もあると感じることがあります。そんなときに意見を引き出せるのは、実はトップではなく、一番下の私かもしれないと思いました。今回のプログラムで学んだ「役割マネジメント」や「ヘルプシーキング」「問いのデザイン」などのスキルを活かすことで、私の立場でも少しずつ会社を動かしていける気がします。ーーー ありがとうございます。お二人とも、ご自身の次のステップをしっかりと見据えていることがわかりました。最後に、このプログラムをどんな方におすすめしたいと思われますか?長田様:リーダーを目指す人はもちろんですが、もっと広く、ビジネスパーソン全員におすすめしたいです。「チーム」という概念は所属部署だけでなく、会社全体にも、プロジェクト単位にも広げて考えられるものですし、「問いの立て方」は日々の会議での小さな目的設定にも必要なスキルです。今回の学びはあらゆる場面で応用できると感じています。尾国様:このプログラムは技術的なスキルだけでなく、リーダーとしての「心構え」や「姿勢」を育む内容だと思います。だからこそ、自己成長意欲のある方、変化に柔軟に対応していきたい方にこそ、ぜひ挑戦してもらいたいです。また、受講のゴールは「知っている」ではなく「できる」レベルまで持っていくことだと思います。座学で学んで終わりではなく、学びをアウトプットし、行動に移してこそ初めて身につく。私自身、まだまだ実践の途中ですが、実践の過程で得るものが大きいと感じています。ーーー 実践を通じて「できる」状態を目指す、お二人の実直な姿勢と温かいリーダーシップの芽を感じるお話でした。人事部長 鈴木様のコメントーーー 今回、導入を決めていただいた背景を教えてください。自動車業界は100年に1度の大変革期と言われており、これまでの考え方をブレイクスルーできる人財育成が必要だと考えておりました。 また、社会変化のスピードが高速化する中で、その学びは内製ではなく、越境型にすべきと当初から考えていた為、NOKIOO様からご提案をいただき、今回の受講に至っております。ーーー 受講生の選抜はどのように行いましたか。当社では人財教育ビジョンや人財教育方針を策定しており、その中で、「自ら考え、学びを取りに行く」社内風土の醸成や自己成長を促し、支援する会社環境の整備という項目を掲げております。今回の2名について、社内の別の研修への参加意向をいただいておりましたが、「越境型」という部分が2名の育成に有効に働くのでは、また、今後のキャリアを考えプレイヤーからリーダーへという思考を実践させる良い機会と考え、背中を押させてもらいました。ーーー 受講生の変化や、受講後の様子を教えてください。別の研修受講を希望していた為、マインドの部分で不安はありましたが、そんな不安をよそに、受講前から意欲高く研修に参加してくれました。研修受講中も様々な気づきを楽しんでいる様子が見られており、研修環境の良さにも感謝しています。業務で2名と接することがありますが、特に以下の変化を感じております。<長田様>業務遂行する中で、自分でやった方がスピーディーかつ、質も高くなる業務を、敢えて他のメンバーに任せる動きが見えました。またメンバーに任せることで、自身の新しい視点や思考に気づくことにつながっていると思います。また、直属の上長から、今回の研修の学びを、同じグループメンバーへ自ら機会を作ってアウトプットしたことも伺い、チームメンバーが同じ景色を見られるよう(研修の内容が良かったこともあると思いますが)動くなど、考動がパワーアップしていると思います。<尾国様>大きな変化はコミュニケーションの質が変わったことだと思います。経験値も高く、業務スキルも高いが故、プレイヤーになりやすい部分ではありましたが、メンバーの話を「聴く」ことを意識し、チーム内や他チームとの連携を積極的に行う姿勢が出てきました。上長からも、チームの推進力が上がる役割が担えていると評価を聞いており、研修の学びをすでに実践している様子も聞けています。 2名とも研修の学びを、日々の業務にアウトプットしていることも分かり、人事部門としても嬉しく思います。これからも引き続き会社を牽引する人財へと成長していくことをワクワクしながらサポートしていきます。また、引き続きこのような研修機会に多くの従業員が参加できるように社内の環境も整えていきたいと思います。ーーー 受講後の変化が見られて、私たちも嬉しく思います。本日は、ありがとうございました!