静岡に本社を構え、建築・土木を中心とした総合建設事業を展開する木内建設株式会社様。将来の管理職候補となる社員のマネジメント力向上を目的に、NOKIOOの次世代リーダー育成プログラムに係長クラスの社員数名を派遣されています。今回は、浜松3期生として参加した荒井良宏さんに、プログラムで得た気づきがどのように日々の実践につながっているのか伺いました。次世代リーダー育成プログラムのサービスページを見る▼プロフィール首都圏地区本部 設計室 第二設計課 係長:荒井 良宏 様2012年の入社以来、東京を拠点に主にマンションの意匠設計を担当。図面作成やチェック、現場監理などを行っている。▼目次受講背景昇進を機に「つなぐ役割」を意識 チームづくりのヒントを求めてーーー まずは、荒井さんの自己紹介をお願いします。荒井様:木内建設株式会社の首都圏地区本部 設計室 第二設計課に所属しております、荒井です。会社としては静岡に本社がありますが、首都圏においても会社全体の5割程度の事業規模があります。私は東京勤務で、主にマンションの設計業務を行っています。30人ほどの設計室の中では意匠、構造、設備とグループに分かれており、私は意匠を担当しています。具体的には、マンションの図面を作成したり、図面のチェックや現場監理といった業務を行っています。ーーー 東京を拠点に、マンションの設計業務を担われているのですね。荒井さんが今回、次世代リーダー育成プログラムを受講されたきっかけは、どのような経緯だったのでしょうか?荒井様:ちょうど主任から係長に昇進した後のタイミングで、人事の方から声をかけていただきました。会社としても新しい研修ということで、「こういうプログラムがあるので参加してみませんか」と勧めていただいたのがきっかけです。ーーー 昇進直後のタイミングだったのですね。係長になられてからは、どのような立ち位置や役割の変化があったのでしょうか?荒井様:私の職種は設計なので、現場とは少し違うかもしれませんが、主任と係長で業務内容自体は大きくは変わりません。ただ、設計室の中で、上司と部下の間に立つ中核的なポジションになり、上の意見を聞きながら下のメンバーを引っ張っていくという役割が求められるようになりました。ーーー まさにチームの「つなぎ役」としての役割が期待されるポジションなのですね。新たな役割を担う中で感じていた課題などはありましたか?荒井様:意匠担当は個々のプロジェクトリーダーとして動くこともあり、隣の人がどんな仕事をしているのかが見えづらく、情報や知識、困りごとの共有があまりできていませんでした。コミュニケーションが得意な人は自然に共有できていたのですが、苦手な人はなかなか発信できず、横の連携不足を課題に感じていました。ーーー そうした課題をふまえて、今回の研修にはどのような期待を持って参加されたのでしょうか?荒井様:自分のモチベーションが上がればいいなという想いと、チーム内でのコミュニケーションを円滑にするための手法を少しでも学べたらという期待がありました。ーーー まさにこれからのチームづくりに向けた第一歩として臨まれたのですね。受講の学びと変化「相談してもいい空気」をつくる 率先した行動がチームに広がるーーー 研修を受講する中で、印象に残っているテーマや内容があれば教えていただけますか?荒井様:一番印象に残っているのは「ヘルプシーキング」(※)ですね。実は「ヘルプシーキング」という言葉自体、今回初めて知ったんです。でも、振り返ると意外と自分でも自然とやっていたことだったんだなと気づきました。(※)一人で抱え込まず、連携によって成果を高めるビジネススキルーーー それまで意識せずにやっていた行動に名前がついたような感覚だったのですね。荒井さんはたとえば、どんな時に周囲にヘルプを出していましたか?荒井様:私たちの仕事ではお客様であるデベロッパーさんから「これを今日やってほしい」というようなハードルの高い要望が来ることがよくあります。そういうとき、事情を説明して「今日中は難しいので、明日になります」と正直に伝えるようにしていますし、困ったときは周りに「こんな依頼がきたんだけど、どう対応しようか」と相談しています。ヘルプシーキングを学んだことで、これらが成果を上げるために意味のある行動だったんだと納得できました。しかもそれがスキルとして後天的に学べるものだと知って、「これは周りにも伝えていくべきだな」と思いました。ーーー ご自身が自然にやっていたことが、ビジネススキルとして認識できたのは大きな気づきですね。その後、周囲にも意識的に広げる取り組みはされていますか?荒井様:はい、ヘルプを出しやすい環境を作ることが一番大事だと思ったので、今まで以上に自分からヘルプを出すようにして、みんなに「ヘルプを出してもいいんだ」と思ってもらえるようにしています。たとえば、社内コミュニケーションツールであるTeamsに、意匠グループの中で気軽にヘルプを出せる小さなチャットグループをいくつか作りました。最初はみんな遠慮してなかなか投稿がなかったんですが、私がポンポン投稿していたら、上司の方も応えてくれるようになり、今では他のメンバーからもちょっとしたことでも投稿が増えてきています。ーーー 荒井さんが率先して行動されたことで、チームに良い変化が生まれているのですね!ほかに印象に残っているテーマはありますか?荒井様:最初の「問いのデザイン」もすごく役に立っています。課題整理や、上司に相談するときなど、どうやって話を組み立てればいいか考える場面で使っています。学習してみたら、目的志向で考えるという当たり前のことなんですが、意識していなかったので、新たな視点が得られたと感じています。ーーー もともと実践されていたことや意識されていたことに改めて意味づけができて、これからさらに行動にしっかりとつなげていけそうですね。効果研修後の対話が広がり、上司との関係性が変化ーーー 受講期間中、上司の方との関わり方はいかがでしたか?受講レポートにコメントをいただいたり、やり取りされていたと思います。荒井様:私は、受講後はできるだけ間を空けずに、感じたことや気づいたことをその日のうちにレポートに書くようにしていました。その際、研修の資料も一緒に上司に共有していたので、自然と会話が生まれるきっかけになりました。これまで上司とじっくり話す機会はあまり多くなかったのですが、今回の研修を通じてすごく自然にコミュニケーションが増えて、良かったと感じています。ーーー レポートを共有したことが、会話のきっかけになったのですね。特別に時間を取って話していたのですか?荒井様:特に時間を決めていたわけではないんですが、資料だけでは分からない部分について「これってどういうことを学んだの?」と、上司の方から声をかけてもらうことが増えて、そこから自然にやり取りが生まれていました。ーーー 素晴らしい関係性ですね。もともとその上司の方とは、以前から密にお仕事されていたのですか?荒井様:設計室内の上司ですが、これまではプロジェクトごとに担当が違っていたので、そこまで密に話すような関係ではなかったんです。ただ、この研修がきっかけで会話量がかなり増えて、仕事の進め方にもすごく良い影響を与えていると感じています。ーーー やっぱり会話量が増えると、お互いの考えていることや背景も分かるようになって、仕事も進めやすくなりますよね。気づきとこれから悩む時間を減らし、対話を重ねてチームの動きを加速させたいーーー 今回のプログラムを受講して、ご自身の中で一番変わったことや大きな気づきは、どんなことだと感じていますか?荒井様:一番変わったのは、「聞く」「伝える」ことへの意識ですね。その点では研修の4科目目の「対話」も印象的でした。これまで遠慮して聞けなかったことや、自分の中で抱えていたことを、早めに聞いたり相談したりするようになりました。ーーー 実際に行動してみてどうですか?荒井様:いざ聞いてみると、「同じこと考えてたよ」とか、「もうそれ考えてたんだ、こんなのはどう?」みたいな反応がすぐ返ってくるんです。そうなると、自分が悩んでいた時間がもったいなかったなと感じます。これに気づいてからはどんどん加速していく感覚があります。ーーー 今回、他社の人たちと学ぶ越境学習の場でも、そうした「対話」の力を改めて実感された部分があったのではないでしょうか?荒井様:そうですね。他の業種の方と話してみて、本質的な課題は意外と共通しているんだなと感じました。また、一人で考えているよりも、いろいろな人と対話することで新しい視点が得られますし、より良い解決策にたどり着けるんだなというのを体感できました。ーーー 越境学習の場でも、対話を通じて新たな視点や気づきが生まれる体験をされたんですね。そうした学びが、これからチーム内での対話や連携にもますます活かされていきそうで、とても楽しみです。荒井様:はい。少しずつ「相談し合える空気」をチームに根づかせていけたらと思っています。上司 山本様のコメント設計室では、打合せや外出が多く、コミュニケーションの機会が少ないため、個々の問題が起こりがちでした。しかし、彼が研修を通じてTeamsなどのツールを活用し、情報共有やヘルプシーキングを始めたことで、チーム全体の意識が変わり始めました。これにより、問題の早期発見と対処が可能になり、設計室の雰囲気が改善されつつあります。彼の行動がチーム全体に広がり、設計室の意識が変わってきています。これからも引き続き、チームの成長を支えていってください。インタビューを終えてお話を通じて感じたのは、「自分だけで頑張らなくてもいい」という安心感を、少しずつチームに広げようとする荒井さんの誠実な姿勢でした。ご自身の小さな一歩が、周囲の行動や関係性にじわじわと変化を生み出している。そんな温かな連鎖を、これからも育んでいかれるのだろうと感じます。荒井さんのこれからのご活躍を、心より応援しています。木内建設株式会社様にご利用いただいたNOKIOOのサービス