取り組み概要背景・2026年4月、事業戦略・人財・マーケティング・技術戦略・品質・セキュリティなどを横断する「事業戦略部門」が新設された。・多様な専門領域を束ねるため、発足前から部門の方向性を言語化し、統括部長との相互理解を深める必要があった。取り組み・中野様とNOKIOOとの対話を通じて、事業戦略部門が目指す姿や判断軸を整理し、「マネジメント方針」として言語化。・「部門方針共有会」で統括部長と方針を共有・対話し、意見を反映しながら内容を磨いた。・部門発足後は「統括部長横断ミーティング」を実施し、各統括部の方針を持ち寄って連携の接点を探った。結果とこれから・部門発足時点で運営の骨格が整い、統括部長同士でも率直に意見を交わせる関係が築かれた。・横断連携のテーマは各統括部のKPIにも組み込まれ、実際の取り組みへとつながっている。・今後は、実行した取り組みの成果を検証し、次の施策へつなげるサイクルを回していく。目次取り組みの背景新設部門をどう動かすか。発足前から始めた方向づけーーー まず、NECネクサソリューションズ様がどのような会社なのか教えてください。中野様:NECグループの中で、主に中堅・中小企業や自治体のお客様に向け、IT活用やDX推進を通じて経営課題や社会課題の解決を支援している会社です。地域やお客様の現場に根付き、自治体、製造、流通・ホテルなどの業種ノウハウを蓄積してきたことが強みです。AIなどの技術を活用するうえでも、そうした「現場力」は大きな強みになると考えています。ーーー 中野さんが事業戦略部門の部門長を担うことになったのは、どのような背景からだったのでしょうか。中野様:2025年7月、NECグループの事業再編に伴い、NECからNECネクサソリューションズへ出向しました。その後、2026年4月から、各部門に分散していた機能を全社横断で推進するため、新たに事業戦略部門ができ、私が部門長を拝命しました。当部門は事業戦略だけでなく、人財、マーケティング、技術戦略、品質・セキュリティまで、多岐にわたる機能を担う部門です。私自身は20年以上営業を経験し、その後はプロダクト企画に携わってきたので、経験のない領域も多く、当初は「自分に担えるだろうか」という不安もありました。ーーー 新しい部門を率いるにあたって、特に重要だと考えていたことは何ですか。中野様:特に重要だと考えていたのが、統括部長の皆さんとの信頼関係でした。私はNECから来た立場でもあり、新しく部門を率いるうえで、まずは皆さんとしっかりコミュニケーションを取り、相互理解を深めたうえで4月を迎えることが大切だと考えていました。そうした準備を進めるため、部門発足前からNOKIOOさんに相談しました。NOKIOOさんは提案をいただく段階から、「一を言えば十くらい理解してもらえる」という感覚があり、すべてを説明しなくても、私の意図を汲み取って言葉にしてもらえそうだと感じたことが決め手でした。まずは、事業戦略部門のマネジメント方針を一緒に策定することから始めました。取り組み① マネジメント方針の策定・共有部門への思いを言葉にし、対話で磨く。組織で使えるマネジメント方針へーーー 今回の共創支援の取り組みは、2026年2月から中野様とNOKIOOとの対話を通して事業戦略部門のマネジメント方針を言語化し、その後、「部門方針共有会」で統括部長の皆さんと共有・対話しながら内容を磨いていきました。そして4月の部門発足後には、各統括部の方針を持ち寄って横断的に対話する「統括部長横断ミーティング」へと進んでいます。まずは今回策定した「マネジメント方針」を、中野さんご自身はどのようなものと捉えていますか。中野様:事業戦略部門が何を目指すのか、そのためにどんな考え方や判断軸を持ち、どのように取り組んでいくのかを言葉にしたものです。部門全体が同じ方向を見て動くための土台になるものだと考えています。⇧今回の取り組み全体像。まず部門全体の方向性を言語化し、次に統括部長と共有・対話、その上で統括部横断の連携へと展開していった。ーーー マネジメント方針の策定では、全4回のNOKIOOとの対話を通じて、「目指す姿」「現在地とのギャップ」「必要なアプローチ」を整理し、統括部長の皆さんと共有するための言葉へとまとめていきました。このプロセスはいかがでしたか。中野様:NOKIOO取締役の小田木さんとの対話で、私は思いつくままに話して、小田木さんが問いかけながらロジカルに整理してくれたので、すごく取り組みやすかったです。こういう立場になると、部下の話を聞く機会は増えても、自分の話をじっくり聞いてもらう時間は意外と少ないです。事業や戦略のことだけを考えて話せる時間は楽しかったですし、考えも整理されました。漠然とした不安も、言語化するうちに「こんな感じでやればできそうだな」と小さくなっていきました。ーーー 方針として言葉にできたことには、どんな意味がありましたか。中野様:私は、事業戦略部門を、決めたことをやり切り、成果につなげるところまで責任を持つ部門にしたいと考えていました。また、NECネクサソリューションズだけでなく、NECグループの成長のために何をするのかも考えてほしいと思っていました。そうした考えを唐突に伝えるのではなく、「なぜそうするのか」から順を追って示せたことに意味がありました。ーーー 4回の対話を経てまとめたマネジメント方針は、その後、統括部長の皆さんと共有・対話する場を設けました。手ごたえはありましたか。中野様:はい。部門方針共有会の場ではNOKIOOさんがファシリテーションしてくれたので、私も統括部長も目の前の対話に集中できました。ただ、実際にマネジメント方針を共有すると、私の意図と、統括部長の皆さんの受け止め方との間に、少し違いがあることも分かりました。例えば、「変わらなければいけない」と言いすぎると、これまでを否定されたように感じる、という率直な意見も出ました。そこで後日、統括部長と個別に「どう書けば伝わるか」を話し、細かい表現も一緒に修正しました。内容は全員に共有し、最後はみんなでチューニングして仕上げることができました。そのやり取り自体が、信頼関係を深める時間にもなったと思います。ーーー 私たちもそう感じました。部門方針共有会の最後に、統括部長の皆さんから「こういう場を設けてくれてありがとうございます」という声が上がっていたのが印象的でした。⇧NOKIOO小田木との方針策定ミーティング。対話を通じて、事業戦略部門が目指す姿や判断軸を言語化していった。取り組み② 統括部横断の対話部門の方向性をそろえ、統括部間の連携を編む。統括部長横断ミーティングで部の横断連携を考えるーーー 続いて、各統括部が目指す成果や課題、取り組みの方向性などを整理した「統括部方針」を持ち寄る「統括部長横断ミーティング」を2回行いました。互いにフィードバックを交わしながら、統括部を越えて相互理解を深め、部門全体として連携できる接点を探る取り組みです。部門方針共有会では、部門全体の方向性について認識をそろえましたが、ここでは各統括部の方針を起点に、統括部同士の「横を編む」ことを目指しました。こちらは、いかがでしたか。中野様:統括部長横断ミーティングの頃には、統括部長の皆さんと、率直に意見を交わせる関係が少しずつできてきたと感じていました。5人それぞれが、NECネクサソリューションズをより良くしたい、メンバーにモチベーションを持って働いてほしいと考えていることも伝わってきて、すごくいい時間だったと思います。事業戦略、マーケティング、技術、品質・セキュリティなど、それまで関わる機会の少なかった領域の統括部長が集まり、互いの考えを聞くことで、「ここは連携できる」と見えてきたことも大きかったですね。ある統括部長からも「こういう場がなければ、最初からこれほど団結して進められなかったと思う」と言ってもらいました。ーーー 統括部長横断ミーティングで生まれた気づきは、その後どのように生かされていますか。中野様:統括部長横断ミーティングでは、各統括部の方針に対するコメントやフィードバックをExcelのシートに書いてもらったのですが、終了後に「あのExcelシートを共有してほしい」と言われたんです。自分たちの業務やKPIに生かそうとしてくれているのが分かりました。実際、そこで使ったフォーマットを、自分の統括部の運営方針を伝える資料にも活用してくれています。その場限りで終わるのではなく、そこで考えたことが実際の部門運営に生かされているのは、すごくうれしかったですね。⇧統括部長横断ミーティングの様子。各統括部の方針を持ち寄り、互いにフィードバックしながら、統括部を越えて連携できる接点を探った。取り組み後の変化と今後方針と対話を、部門運営の実行力につなげるーーー 2026年4月の事業戦略部門の発足に向けて、先立つ2月からマネジメント方針の策定や統括部長の皆さんとの対話を進めました。このように発足前から準備を進めたことには、どのような意味がありましたか。中野様:事業戦略部門は4月1日から機能しなければいけないので、「新設部門だから、しばらく待ってください」とは言えないと思っていました。発足前の2月頃から始めて、急ピッチではありましたが、4月1日の発足時点で部門運営の骨格ができていたことは大きな安心感につながりました。部門のキックオフで、この方針を統括部長の皆さんと時間をかけてつくったことを伝えた際には、メンバーから「忙しい年度末に、そこまで準備してくれていたとは知りませんでした。ありがたいです」という声もありました。方針をつくるプロセスそのものが、「この部門やメンバーを大事にしている」というメッセージにもなったのだと思います。ーーー メンバーのエンゲージメントにも影響しそうですね。一連の取り組みは、現在の部門運営にはどのようにつながっていると感じますか。中野様:私がすべてに詳しいわけではないので、それぞれの専門性を持つ統括部長の皆さんに支えてもらいながら運営する関係性を、早い段階でつくれたことが大きいですね。NOKIOOさんが間に入ってくれたことで、私自身も自分の考えやキャラクターをさらけ出しやすかったですし、統括部長の皆さんとも、上下という関係性にとらわれずに対話できたと思います。今も、毎週のミーティングや月1回の1on1を通じて対話を続けています。ーーー 今後、事業戦略部門としてどのような状態を目指していきたいですか。中野様:統括部長横断ミーティングで「こう連携していこう」と決めたことは、統括部長の皆さんがそれぞれKPIにきちんと入れ、着々と進めてくれています。今後は、それを実行し、成果を検証するところまでやり切りたいです。絵に描いた餅にせず、成果として形にして、そのサイクルを次につなげていく。事業戦略部門からそうした動きを回していければ、会社全体にとっても良い形になると思っています。ーーー 最後に、組織を率いる立場にある方へ、今回の経験を踏まえて伝えたいことはありますか。中野様:まず、部門が何を目指し、何のために存在するのかを方針として言葉にすることが大切だと思います。そこが明確でないと、日々の業務と、その仕事が会社や社会にどうつながっているのかを結びつけにくいからです。最初に時間をかけて方針をつくることは、一見遠回りに見えても、その後を考えれば、結果的に一番効率的だと思います。ーーー ありがとうございます。今回の取り組みが、その後の部門運営や統括部長の皆さんとの関係づくりにつながっていることを伺えて、うれしく思います。本日はありがとうございました。